夢千代日記

みどころ・あらすじ

   南北朝時代頃に成立したといわれている「義経(ぎけい)記」以来、数々の源義経伝説が日本人の心の中にいき続けてきました。今回の『雪月花源氏旗挙-牛若丸-』は、その義経の幼少期、牛若丸を名乗っていた頃に取材し、歌舞伎の醍醐味をたっぷりとお目にかけます。

 

 いまから八百年ほど昔。世の中は源家と平家に別れて争っていました。源義朝の妻、常盤御前(國太郎)はわが子牛若丸を連れて逃げているところを、捕らえられてしまいます。しかし、平宗清(芳三郎)は、情けをかけて母子を逃がしてやるのでした。
(伏見の里 雪の場)

何年か後、今日の都で謎の美少年が夜毎五条橋に現れ、早業で人の刀を奪い取るとの噂が流れます。実はこの少年こそ、牛若丸(本村)。噂を聞きつけた、武蔵坊弁慶(渡会)は、懲らしめる為に牛若丸に斬りかかりますが、降参し、二人は主従となります。(五条橋 月の場)

その後も、鞍馬山で剣術の桂子に励んでいた牛若丸は、大天狗僧正坊(矢之輔)から、平家に打ち勝つための兵法書の一巻を与えられます。牛若丸は、その一巻を手に弁慶を伴い、勇躍して陸奥へと旅立つのでした。(鞍馬山 花の場)

 

第一場 雪の伏見
第二場 月の五条橋

第三場 紅葉の鞍馬山

 

みどころ

 落語でもお馴染み、三遊亭圓朝の人情噺を芝居にした、笑いと涙にあふれた傑作。前進座では、一九五八年の初演いらい、八百回を超えて上演されてきた人気演目です。いじらしい真心に泣き、引っ込められない意地に笑い、いかにも江戸っ子らしい登場人物たちが繰り広げる、心うるおす一幕をお楽しみいただきます。

 

あらすじ

左官の長兵衛(矢之輔)は、腕はいいが遊び好き、バクチと酒にかまけて稼業はほったらかし。 女房お兼(國太郎)との間には喧嘩が絶えません。

娘お久(有田)は、そんな不和に心を痛めて、自ら吉原の遊女屋佐野槌に身を売って金を拵えようとします。娘の孝行に打たれた長兵衛は、すっかり目が覚め、懸命に働いて一年のうちに迎えにくると誓い、佐野槌から五十両を借り受けます。
その帰り道、身投げしようとしている若い男文七(臣弥)を助けるのですが……。