舞踊
吾妻寛穂=構成・振付
江戸吉原から京の都へ、若旦那とたいこもちの東海道五十三次珍道中。舞台・客席をかけめぐり、ついに上がりの先斗町では、夢にまで見た舞妓の姿に、心奪われる二人連れ…。初春にふさわしい華やかな舞踊絵巻をお楽しみください。
岡村柿紅=作/勝見嘉之=指導
『棒しばり』は、岡村柿紅が同名の狂言をもとに、六代目尾上菊五郎と七代目坂東三津五郎にあてはめて書き下ろした舞踊劇。初演は大正五年。
舞踊の名手二人の手を縛って踊らせるという皮肉な趣向にねらいがあります。
所用のため屋敷を留守にする大名(益城)は、召使いの太郎冠者(有之祐)と次郎冠者(臣弥)が底抜けの酒好きなので、大事な酒蔵が心配でならない。
そこで大名は、まず次郎冠者の両手を棒にくくりつけ、ついで太郎冠者を後手に縛りあげたうえで出かけていく。だが二人は、意地でも酒を飲んでやろうと酒蔵へやってきて…
平田兼三=作 香川良成=演出 小野文隆=演出補
落語でもお馴染み、三遊亭圓朝の人情噺を芝居にした、笑いと涙にあふれた傑作。前進座では、一九五八年の初演いらい、八百回を超えて上演されてきた人気演目です。いじらしい真心に泣き、引っ込められない意地に笑い、いかにも江戸っ子らしい登場人物たちが繰り広げる、心うるおす一幕をお楽しみいただきます。
日本橋の大店の一人息子徳三郎(國太郎)は、廓通いの道楽の果てに勘当されます。将来を案じる伯父六兵衛(矢之輔)の意見や伯母おとめ(辰三郎)の親切も徳三郎には暖簾に腕押し。業を煮やした六兵衛は、徳三郎に唐茄子売りを命じます。天秤棒をかついでふらふらと貧乏長屋に迷い込む。唐茄子を売らなければ家を叩き出されるとこぼす徳三郎を見かねて、長屋の人々は代わる代わる唐茄子を買い求め、すっかり売れてしまいます。しかし、長屋でお腹を空かせた子供を抱えたおたね(文美)と出会い…