〜 或る小倉日記『銃口』篇 〜
9月20日(火)
誕生!「わるいやつら」
田川から小倉への移動日。昼すぎに小倉到着。私には特別思い入れの深い街だ。5年前、花みづきの会「或る『小倉日記』伝」に主人公田上耕作役で出演することになった私は、彼の足跡を訪ねて連日炎天下の小倉の街を歩いた。「役者さんって大変なんですねぇ」私のわがままに全面的に協力してくれたのが松本清張記念館のスタッフの皆さんだった。その後、朗読劇「西郷札」「或る『小倉日記』伝」を連続上演できたのも皆さんのお力によるものだ。今夜はIさん、Yさん、Oさんの3人の記念館スタッフとの交流会。次回の朗読劇の構想をどうするかで話が盛り上がった頃、突然北九州市民劇場の事務所から電話が。前例会会員クリアまであと一歩、なんとか記念館の皆さんにも入会してもらえないか、とのこと。そして、その場ですぐに新サークルが誕生!プラス3名。電話の向こうからも拍手が聞こえる。見事クリアされた瞬間だ。サークル名は清張作品にちなんで「わるいやつら」に決定。でも、お3人ともとても美しくて良いやつらなのです
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9月21日(水)
芝居をしなくてもいい劇場!?
「良かったぁ、いい芝居ねぇ、素敵な初日ね」終演後、市民劇場事務局長の民谷さんが興奮しながら楽屋に飛び込んできた。
北九州芸術劇場中ホールでの初めての公演。舞台と客席の心が完璧に一つになったような、熱く感動的な舞台だった。
それにしてもこの小屋は素晴らしい。観客の息づかいや興奮がそのまま真直ぐ舞台に伝わってくる。ものすごい集中力だ。だから役者もがんばらなくていい、いや、がんばってはダメなのだ。芝居をしようとせず自然体の人間でいれば台詞はそのまま客席に伝わる。
今日の舞台は北九州の会員の皆さんの熱い思いの結晶だ。ありがとうございました。よし、これから一週間、がんばるぞ!
【柳生啓介 記】
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