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『ひなっちゃん−樋口一葉日記−』創作にあたって

文芸演出部 山口誓志(『ひなっちゃん』作)

今、新しい女性劇が求められています。女性達のめざましい程の社会進出・社会的地位の向上、そして客席も俳優も共に、女性の数が圧倒的に増加し、質的向上もあいまって、女性の活躍する希望ある明るい内容の演劇を、女性ばかりでなく男性客も熱い期待を込めて待望しています。それに応えるように、小劇場で、或いは今や大劇場でも、女優の活躍する芝居が続々と創り出されています。

そんな中で、我が前進座は、これまで男(ダン)シングチームと言われ、伝統演劇を大切に演じ続けてきたその一方で、創立当初から女優さんを擁し、女優路線を細々ながらも連綿と、着実に受け継いで来ました。今、この時代に合った、そして尚、そうした歴史をも踏まえた骨太な、決して風俗的にただ流行を追うだけでなく、何かが残るような、男女の別をも越えて理解しうるような女性劇を創造する事が求められていると考えます。

年齢・性別を越えて多くの人に知られており、その生涯の思想と行動を知る事を通じて将来に明るい展望が持てるような、大衆的で前向きな素材を、真摯に劇化する事が必要だと思います。この条件に合う女性は、残念ながらそう多くはいません。林芙美子や平塚雷鳥、与謝野晶子などがあげられますが、中でもひときわ歴史に輝き、今尚人々の心を照らし続けている一人の女性作家がいます。それが樋口一葉です。

樋口一葉、本名樋口なつは、明治の初めに生まれ、24才という若さで没するまでに数編の小説を残し、その作品世界の魅力ゆえに、百年後の今に至るまで多くの人々に愛され続け、更に最近では、職業作家、女性作家のはしりとして新たな注目を浴び、NHK講座で取り上げられたり、五千円札の顔(女性では初めて)になったり、勿論その作品も生涯も、様々な形で映画・舞台となって親しまれてきました。

明治の官吏であった父親が病死してからは、それまで通った歌塾をやめ、上流階級との交わりを断ち、本郷から下谷に移り住みました。そして、吉原のすぐ隣町の竜泉町で商売をしながら小説を書き続け、いわば明治社会の上から下、隅々までをおのが目で見、体で感じたままを小説にしたのです。リアルで社会性もあり、そして心情に訴えかける視点で貫かれ、ことに時代に呻吟する女性達を、同性の目から優しく見つめた作品群を残しました。

これらの作品は、短い生涯の最晩年わずか1年程の間に書かれ(後に「奇跡の十四か月」と呼ばれる)、今回のお芝居では、それ以前の修業時代、本郷菊坂町と下谷竜泉寺町に居住した時期に焦点を当てて劇化致しました。今が旬の前進座女優の競演にご期待下さい。

 

 
     
 

舞踊『雪祭五人三番叟』

三番叟は古来、天下泰平・五穀豊穣を祈り、天地の恵みに感謝を捧げる事始の式楽であった。
正面に雪持ちの松羽目。「寿式三番叟」を基調にした軽やかな“揉(もみ)の段”、荘重な翁の舞、翁とおかめの軽妙な連れ舞、五人揃っての“笠おどり”と進み、“鈴の段”から、降りしきる雪の中で文楽の演奏にのせて、五人の三番叟が勇壮に舞う。1966年、新橋演舞場で初演。1994年から始まった【女優版】に新たな編成を加えてお届け致します。

 

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