春日八郎のヒット作「お富さん」でも知られた「切られ与三郎」の書き替え狂言。
切られる人物を与三郎からお富に置きかえた『切られお富-処女翫浮名横櫛(むすめごのみうきなのよこぐし)-』は、お富を魅力たっぷりに描いて原作をしのぎ、悪婆((あくば)物の典型に数えられています。 そもそもは可憐純情な女性だったお富が、疵(きず)だらけになりながらも、夫をけしかけ強請(ゆす)り騙(かた)り、果てはその夫を包丁で・・・。 しかしながらその悪事は、とどのつまりは身を捨てて、愛する与三郎に尽くすため、という一途な恋心が引き起こすドラマの数々。
先代の河原崎国太郎がお富役で、毎日芸術賞を受けたのは1981年。本年五月国立劇場公演は25年ぶりの上演となり、大変御好評をいただきました。
2011年初春、さらに練り上げて、皆さまにお目にかかります。
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