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俊寛・人情一夕噺 公演案内




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2007年 俊寛・人情一夕噺 公演案内 日程
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あらすじ

 俊  寛

源平の争いに源義朝が敗れて以来、平清盛の権勢は天下をおおい、平家の横暴は目にあまるものがあった。法勝寺の僧・俊寛【梅之助】、丹波少将成経【広也】、平判官康頼【辰三郎】らは、この清盛の横暴に憤りを抑えかねていたが、謀反を理由に捕らえられ、絶海の孤島・鬼界ヶ島の流人となった。以来、はや三年の月日がたち、三人は憂き艱難の日々を送っていた――。


そんなある日、俊寛は康頼から、成経に千鳥【國太郎】という海女の恋人ができたと知らされる。三人は久方ぶりに心なごむ思いでうち笑い、成経に恋の馴れ初めなどを語らせた。やがて千鳥も現われ、山水を酒、鮑貝を盃として、俊寛を父、康頼を兄と頼み、夫婦の固めの盃をかわして、「めでたい、めでたい」とうち興じるのだった。


そこへ、島をめざして一艘の大船がやって来る。帆の印は、まさしく平家の紋。もしやと胸をときめかす四人の前に、平家の郎党・瀬尾太郎兼康【小佐川】がおり立ち、成経と康頼の赦免状を読み上げる。赦免状に自分の名がないと知った俊寛は気も狂わんばかりに嘆き悲しむのだった。
この時、副使として瀬尾に同行してきた丹左衛門基康【圭史】は、平重盛の恩情で俊寛も赦免され、備前の国まで召し返されることを伝え、重盛の仁心を骨髄に知らせんがためにしばらく黙っていたことを語るのだった。四人が雀踊り(こおどり)して嬉し涙にくれながら船に乗ろうとすると、瀬尾は通り手形が三人であるという理由で、千鳥の乗船を拒む。俊寛らは、流人は一体であるから、この上は四人とも島に留まろうと砂浜に座を組む。
いきり立った瀬尾は俊寛を罵り、俊寛の妻・あずまやが、清盛の意に従わなかったために殺されたことを告げて嘲笑し、千鳥一人を浜に残して、三人をむりやり船へ追いやるのだった。

俊寛 2004年1月南座公演より

2004年1月南座公演
丹左衛門=圭史
成経=菊之丞
千鳥=國太郎
康頼=辰三郎


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「武士(もののふ)はものの哀れを知るというは偽り、虚言(そらごと)よ。鬼界ヶ島に鬼はなく、鬼は都にありけるぞや……」。悲嘆のあまり岩に頭をうちつけて死のうとする千鳥を止めた俊寛は、「妻を失った自分には都にはもう何の未練もないから…」と、自分の代わりに千鳥を船に乗せるよう瀬尾と丹左衛門に懇願する。瀬尾は俊寛を足蹴にするが、この時、清盛への怨恨をこめて瀬尾の腰の一刀を抜きとるや、俊寛は瀬尾を一突きし、とどめを刺す。

新たな科人(とがにん)となって島にただ一人残る俊寛。名残を惜しみ涙にむせぶ船上の三人。船は次第に遠ざかり、悲しみに思い乱れる俊寛は……。


 人情一夕噺

 大工の辰五郎は腕のいい職人で気心も悪くはないが、酒を呑むと人が変わってしまう。
  何日も家に帰らず女郎屋に入りびたり、ぐでんぐでんに酔っ払っているところを、大家さんに連れられて帰って来た辰五郎。が、女房お浜のいうことも大家さんの意見もまるで聞かず、とうとう喧嘩別れをするはめに――。お浜の泣き声を残して出て行ってしまう。

人情一夕噺 1956年1月御園座公演

 

1956年1月御園座公演 
辰五郎=小三郎
お浜=五世芳三郎
猪之助=省次

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  3年の月日が流れ……、今は心を入れ替えた辰五郎。酒も女もすっぱりやめて、まじめに仕事に打ち込む日々。ある日、出入りのお店(おたな)の番頭さんと木場へ木口を見に行く途中、深川八幡宮のお祭りの賑わいの中でかわいい一人息子・猪之助にばったり出会う。回りくどくもお浜の様子を聞くうちに、まだ一人身でいると知った辰五郎。そうはいっても飛んで帰るわけにもいかず、木場での仕事が終わったら戻って来るからと、夕方また鰻屋で会う約束をし、小遣い銭を渡して猪之助を家に帰らせる。


  家に戻った猪之助は、汚れた着物を着替えさせようとしたお浜に懐の小遣い銭を見つかってしまう。「おっ母には内緒な」と口止めされていたものの、ゲンノウで叩くと脅された猪之助、父親に会ったこと、鰻屋での約束を話してしまった。はじめは会わせまいとするお浜も、子どもの情にひかれて、貧しいながらも馬鹿にされるといけないからときれいな着物を着せて猪之助を送り出してあげる。見送ったお浜も、そわそわと、鏡をのぞいて……。

人情一夕噺 1956年1月御園座公演 

 


1956年1月御園座公演
辰五郎=小三郎
猪之助=省次


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  鰻屋で再会した二人の間をとりもったのは、明るい猪之助の笑顔だった――。
……子はかすがい……、家族の大切さを描き心温まる人情話の傑作!