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出雲の阿国

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出雲の阿国 稽古場だより
出雲の阿国 公演だより

 


  秀吉が天下を治める慶長年間―。出雲大社の巫女と称し、賀茂の河原で念仏踊りを興行する阿国(妻倉)は、鼓師の三九郎(佑一郎)の才覚で、やがて淀君の前で踊るまでになる。阿国は三九郎に惹かれていた。
  物語は、ここから始まる―。

お婆と娘たち  昔、阿国が世話になった守口のお婆(世津子)の孫娘、お鶴(江林)・お松(黒河内)が一座にやって来た。二人を連れ戻しに来たお婆は「唄ったり踊ったりして何が育つ。何が稔(みの)るか、誰の腹がくちくなるか。唄や踊りで銭とるのは傾いた女のすることぞ。そんな者は土を離れた根無し草ぞ。」と説得するが、二人はお婆を振り切って一座に留まる。

  猿若座の道化方だった旧知の伝介(辰三郎)も一座に加わり、彼の工夫による女装のこっけいな踊りが人気を呼ぶようになる。舞台はいっそう活気を帯びた。その後、賀茂川の洪水で河原の小屋も流され、潰される。彼らを救ったのは政商・末吉勘兵衛(津田伸)だった。しかし、河原に集まりともに手を打って喜ぶ人々の前で踊りたい阿国と、貴人や富豪に取り入ろうとする三九郎の間には、心の隔たりが……。
九蔵  阿国を慕って出雲から出てきたお菊(文美)に三九郎の心は移り、二人は去っていく。やがて勢いを増してきた遊女歌舞伎に押される一座。阿国に恨みを抱く九蔵(武井)の策謀で一座の者が引き抜かれ、おまけに都からの追放を命じられる。

たたらの阿国  阿国は、胸を病む伝介らを連れて、出雲へと帰ってきた。故郷の人々の、斐伊川(ひいかわ)の洪水による災難を知った阿国は、鑪(たたら)の長・田部荘兵衛(松浦)の前で天下一の踊りを見せ、洪水のもとになる鑪の砂止め工事を願い出るのだった。

 

 

 

  ふりかかる困難や愛する三九郎との決別に苦しみもがきながらも、「何のために踊るのか」と問い続ける阿国―。そして、河原に集まる人々の中にこそ自らの生きる“根”や“土”がある…と、民衆とともにあることを選び踊り抜く。
  これは、安土桃山時代を鑪の炎のごとく生き抜いた一人の女性と、彼女を取り巻く人々の物語である―。


 

 

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