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前進座創立七十五周年記念公演
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九州を終えて近畿へ。

コープシアター大阪さんは今年18周年、今日は第55回の例会。演劇に限らず、コンサート、舞踊、狂言など幅広いレパートリーの例会を迎え続けておられます。今回『義民伝』でお世話になった仙台のこ〜ぷ文化鑑賞会、盛岡の文化鑑賞会クオレ、鹿児島の文化鑑賞会まい・夢(まいむ)、姫路のコープ文化鑑賞会、……全国それぞれの地域にあった姿で発展を続けておられます。

20年前、 “心にも栄養を”という組合員さんたちの求めから始まった“文化の産直・共同購入”コープ・シアター。

その揺籃期にご覧頂いた『柳橋物語』(山本周五郎)『出雲の阿国』(有吉佐和子)では、若い俳優が配送車に同乗して、お家に着くごとにキャベツや白菜と共にタクハイされ、『柳橋物語』をお勧めして回らせて頂いたこともありました。


1986年「出雲の阿国」より◆六世嵐芳三郎と、いまむらいづみ

「芝居見た後、歌聞いた後何が残る?」

「楽しんだ心が残ろう、
金で買えぬほどのものが残ることもある」

1986年 「出雲の阿国」より
伝介 <六世嵐芳三郎>  阿国  <いまむらいづみ>



“コープシアター大阪”として発足後に初めて伺ったのは、『さぶ』。第三回の例会でした。

今回は国立文楽劇場での3ステージ。義太夫物を本花道もつけられる文楽の劇場でお楽しみいただきました。

生活協同組合の草分けは、1844年のイギリス。『佐倉義民伝』より七つ年上です。

栄えたり。

神はノアに語り給い、
「なぁお前、世の中ちゅうもんはそんな甘いもんやおまへんねャ」
「四十日の大水にてこの世の汚れを流し去れば、信心深き汝らは、

箱舟つくり、とり獣、ひとつがいずつ乗り込ませ、裁きの刻に備えよかし」

 (中略)

ノアと家族と鳥けもの、漸く乾きし恵みの地に降り立ち給えば、
「かような滅びは二度となし、我、汝らに契らん」と神の御声の彼方には
赤燈黄緑青藍紫 
一糸乱れず紡ぎ出る虹の柱は天と地とを 
結ぶ励みと太平のしるしとこそは

輝けり

時は移りて江戸末期、英国ぐれえと・ぶりてんの、
島のなかばに織物の
産地と音に聞こえたる
ろっちでえるの物語。

不況不振の産業に昨日は三人今日は五人
リストラされるは数知れず
  貧しさを質に置いての買い物は、混ぜ物をした小麦粉に
お茶を濁したティーばかり。

「始めなければ始まらない」
爪にともした火種から
僅かな銭を工面して
ろっちでえるの二十八人
開く小さき店の戸は
未来を開く虹の道

後にコープと
協同の想い

芽吹きたり

火種は虹の架け橋と
海山こえて外つ国に飛び
燎原の火となれり

過ぐるは 一つと半世紀 
色は互いに異なれど
一つに紡ぐ
太平の誓いを虹の旗として
四辺を照らし盛りける 

 

 

 

さて、この大阪文楽劇場二月の公演は『さぶ』。

コープシアター初年度にご覧頂いた『さぶ』は、“益城宏−栄二、嵐広也−さぶ”のコンビがまだ一歳の頃でした。 

その後400ステージを演じてきたコンビが、この文楽劇場で九年ぶりに復活します。来年は数えで二十歳になります。

他の役々は、初代栄二を勤めた嵐圭史が初役で演ずる人足寄せ場の役人岡安喜兵衛はじめ、大変動。

新たな『さぶ』が誕生します。

【全文責 松涛喜八郎 】

研修生ソージロー

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大抜擢で寄せ場人足 金太を演じます。