前進座創立七十五周年記念公演 七十五周年記念『口 上』 舞踊『近江のお兼』 歌舞伎『佐倉義民伝』
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国立劇場に続く創立七十五周年記念公演第二弾は、北は青森から南は鹿児島まで八面六臂の『佐倉義民伝』『口上』『近江のお兼』の三本立てです。 【松涛喜八郎 記】
◆ 佐倉義民伝 ◆ 57年前の座初演から500ステージを越えた『佐倉義民伝』は、農民が主役の歌舞伎という、ほかに例を見ない異色作。 木綿物を着た主役たちの芝居など当らないという心配を他所に、155年前の書き下ろしは三ヵ月半の大ロング・ランを記録しました。 佐倉宗五郎は世直しのシンボルとして今に語り伝えられ、その慰霊碑は広く全国に散在しています。
五月国立劇場公演も終わり、息つく間もなく『佐倉義民伝』の巡演です。 昨年の国立劇場以来一年ぶりに、義民宗五郎を支える女房おさんを勤めさせていただきます。このお芝居は世話狂言ですが、義太夫が入っておりますので、そこの所をきっちり踏まえて改めて役に取り組みたいと思っております。 夫婦、親子の愛情、農民たちの力強い絆・・・『義民伝』は現代人の心を打つ素晴らしい作品です。 皆様と舞台からお目にかかれるのを楽しみにいたしております。
◆ 近江のお兼 ◆ 『近江のお兼』は、琵琶湖のほとりに伝わる力持ちの女性を描いた踊り。『謎帯一寸徳兵衛』のかかれた二年後、文化十年に七代目団十郎が初演して以来200年近く踊り継がれた人気作品です。
愛嬌あふれる可憐なお兼は、姿に似合わぬ大力。たらいを抱えて湖に布を晒しに来たお兼、あばれ馬を静めたかとおもうと、トンボを返る八人の男たちと華麗な立回り、近江八景の美しさを語り、恋心を口説き、盆踊りの手を演じ、と刻々変化する踊りの果ては、長い晒し布を振る派手な幕切れ。
前進座創立75周年記念公演も、おかげさまをもちまして大入りのうちに千穐楽を迎えました。
私自身も『謎帯一寸徳兵衛』のお梶とお辰の二役はどちらも初めての役柄でしたので、とても勉強になりました。この経験を生かして、いつか『東海道四谷怪談』にも挑戦したいと思っております。
六月からの全国巡演では、『近江のお兼』を踊らせていただきます。このお兼、巴御前―木曽義仲夫人―がモデルとも言われております。馬や若い者も大勢出てくる大変楽しい踊りです。是非お誘い合わせてお出掛け下さいませ。