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歌舞伎の舞台に使われる三色の引き幕、これを定式幕と申します。芝居が始まるときには、下手(左)から上手(右)の方向にあけられます。
幕が開きますと、舞台の左右に黒いものが建っているのがお分かりと思います。
下手(左)の方は下のほうに窓があって簾がかかっております。こちらを下座と申します。中は暗くなっていますので、御簾がマジックミラーの役目をして、お客様からはよく見えませんが、この中に、長唄さん、鳴り物さんがいらっしゃって、お三味線を弾いたり、太鼓をたたいたりしています。
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▼義太夫節の見台
反対側、上手の方は、同じような簾が上のほうについております。ここは床―ゆか―と呼ばれております。
『佐倉義民伝』のような義太夫狂言では、太夫さんと三味線弾きさんがここに並びます。
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宗五郎と家族との別れの場を 盛り上げる
太夫は竹本喜太夫さん、お三味線は野澤松也さんです。
近松門左衛門と組んで数々の名作を生み出した初代竹本義太夫さんが創始したのが、この義太夫節。
▲初代竹本義太夫の墓
さて、
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各地会館のロビーには、いろいろな前進座グッズが並びます。
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パンフレットは勿論、ブックレット『佐倉義民伝の世界』、『風月同天』など一般の書店では
手に入らない書籍のその中に…
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歴史民族博物館発行
『佐倉義民伝の世界』 |
『天平の甍』訪中公演のエピソードを
参加者全員で綴った『風月同天』 |
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今回は、義太夫CDのコーナーが加わりました。
子供たちの世界に馴染みのなくなりつつある民話を題材に、創作浄瑠璃作者 橘凛保さんが新たに詞章をものし、松也さんが作曲演奏語りの三役を勤める新作です。 |
風呂上りの松也さん。
後ろに見える三角屋根は構内に温泉のある“ほっとゆだ”駅
(秋田県)。
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どなたもご存知の“笠地蔵”や ひろすけ童話の“泣いた赤鬼”、各地に伝わる伝説をもとにした新作が並ぶ中に、『広島咲希望花カンナ―ひろしまにさいたきぼうのはなカンナ』があります。
広島原爆資料館で出会った一枚のカンナの写真。75年間は草一本生えないと言われたヒロシマで、原爆投下の年の秋に撮られたその写真が、橘凛保さんの心に根を下ろし、平和への祈りと希望の新作義太夫として実を成した作品です。
今年の前進座納涼会は、八月六日。
この日は、61年目のヒロシマの日でもあります。
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