「子役と動物には勝てない」てぇ言葉が幕内にはあります。
ただいま公演中の国立劇場でも、小学一年生の丁稚さんが花道を無言で歩いてくるだけで、お客様の心を一瞬につかんでしまいます。
さて、舞踊『近江のお兼』に登場するのはあばれ馬。
この馬の足、技術と体力を要求されるなかなかの難役。人馬一体ならぬ、前後の足が気を合わせ曲に合わせて、走って跳ねて踊ります。
白羽の矢が立った二人は馬脚をあらわさず、馬ンマと仕出かそうと、国立公演前の舞台で汗を流しています。
駿馬の雄姿を楽しみにお待ちください。
【松涛喜八郎 記】
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